ミリタリーって今在るだけですか、 / Diary695
28.3.2019

 

 

ミリタリーって今在るだけですか、と店頭でお声を頂く機会が多く御座います2019ssシーズンは例年に増してミリタリーウェアという狭き区分へ注視頂いている御様子を拝見致しますので勝手ながら誠に以て嬉しい限りで御座いましてシーズン初め遠回しに綴らせて頂いたように情報のみでパッケージされていないと再確認させて頂きながら取っては過ぎ去られていないと一安心しながらお客様がガバッと羽織られる御様子を嬉しく有り難く拝見させて頂いておりますがそもそも狭き区分と謂いましても、国や時代や歴痕によって存在していた(している)衣服も多種多様千差万別ということで基本的には広域区分と存じながら既存のフォーマットやら時の経過と共に厳しくなる一方のマーケットに踏ん張って居座りさせて頂きながら引いて眺めましても世間一般的で謂うところの 稀少 である個体達が 貴重 であるように高額高値で取引されてる様子にとんと 服 の領域を越えたディープ・マーケットのような印象を拭えないのはアンティークもメゾンも然りで御座いますがやはり ミリタリー という特質区分が故に突出して然う視えるだけで御座いますが、だからこそと申しますか、フィルターの枚数を増やす必要も一枚を分厚く設ける必要性も大切にさせて頂いておりますもので基本的に広域区分と存じながら狭き狭き区分へと自らの首を締め上げて苦しんでおりますところでご質問に対する回答ですが誠に申し訳ありません、ミリタリーは今在るだけで御座います。

 

 

けれども昨年9月のように6個体前後じっくり御考察頂く機会をコンスタントに設けさせて頂きたい心持ちは何もミリタリーに限ったお話では御座いませんがミリタリーの美味たる濃厚性質や芳醇な風情、雄々しく迸るエナジーは専ら衣類製作にあたって限定された目的性と快適性と合理性に叶う特有性と存じますしメゾンや近代美学にはない服飾性質で御座いますしワークウェアに内包されるかワークウェアが内容されるかは追究の必要も御座いますがともあれ、広域な性質としましてはこれ以上ないヘヴィデューティー・ギアと或いは勝手ながら2019ssメインテーマに掲げさせて頂いている手前、ミリタリーって今在るだけですか、のご質問にもう心の底の底の底より腰を折らせて頂く以上現状の我々に出来得る行いは御座いませんが、そこまで苦しみ抜く具体的項目のひとつに引き続きしつこいようで誠に恐れ入りますが コスチュームに成ってはならない があまりにも明確でありますしマーケットで謂うところの稀少個体ゆえの貴重個体が基本的にモダンプロポーションを備えているかは極一部を除き追究の必要は御座いませんしつまりは、2019年を生きる少年.青年.男性すべての紳士様へ、美味たる濃厚性質や芳醇な風情、雄々しく迸るエナジーを現代の目的性に沿って袖を通して頂けるかにおきまして専ら、現代に沿って総合的な均衡が成り立つ御姿、御作りであること以上の厚いフィルターなど用意も準備も御座いません。

 

 

 

御縁叶った個体がマニアックレンジであるならば翻訳どころか重訳も必要になりますが基本的には、製作数や採用年代に起因する稀少性質がゆえの貴重性など吸引力が決して衰えないメカニック掃除機の説明書くらいそっと御査収頂ければと憶いながら例えば翻訳するところの1940年代バイク巡回隊員に向けて製作された本作でありますし重訳するところの、コンパクトな肩廻りとエポレット下部7cm正確に打ち込まれたダーツ,ステッチによって制御された前振りのないフリーダムスリーブに起因する魔術的なアームフォームの実演を最大の注目点とする他、ステッチを打ち込まず見事に立ち上がる襟は360°首回りを覆うように起立するネックウォームの役割とフィジカルな木綿材質、操縦中ベルトが巻き込まれないよう背面一カ所に縫い込まれたディテイルワーク並びに全体のボリュームを調整頂ける3カ所のベルトワーク総じてミリタリー部門ではなかなかお目にかかれない産地特有の 設計 その無垢なフレンチシズムと美しさに類い稀なるエネルギーを感じずにはいられない美味、いえ紛れもなく珍味で御座いまして皆様、ミリタリー今在るのみで御座います。

 

 

 


 

 

 

 


1940s France military motorcycle trooper coat

 

 

 

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