ORIGAMI / Diary666
3.2.2019

 

 

 

熱度をもって商品のご説明をさせていただく度、対象個体に対する蒸気がぐんぐんと上昇して往く不思議は、ヴィンテージに限らず販売員すべての方に共通する事柄ではありませんか。どうでしょう。ことKarim Hadjabが表現するKARIM HADJABという作品群にとって謂えば “好き” が明確化して往くどころか “愛” が深まる一方、 “情” に近しい感覚を抱いてしまうもので、あるいは1年間の自然淘汰を経て生を受けた “個” それぞれに対する純粋な “関心” が強まります。ラックに掛かっているそちらがグリーンで、君がピンクで、なぜあなたがブルーなの。それが個性というものですか。

 

その関心事ないし興味心、総じて疑問、というのはKARIM HADJABの作品群を街でお召し頂く際、周囲から寄せられる種類のそれらと等しいように憶います。この人のジャケットはなぜ不思議な色をしているの、どうして煙みたいなデザインなの、自分で直したのかしら、美味しそうなワイン色だわ。然りです、それが個性というものでしょう。

 

ん、どうして煙みたいなデザインをしているか質問に答えようか、それはね、折り紙のようにこの服を折り畳んで1年の間自然に置くんだ。自然というのは草や木や森や土や水やそういった意味の自然だよ。そのまま触れないで待つんだ。インスタントラーメンの3分が少し長いようなものさ。そして1年後に収穫したらこんな模様になった。素敵だろう。

 

 

とフレーズを謂えたら素敵なあの子も納得してくれる、事を祈るしかないKarim Hadjabが表現するKARIM HADJABで御座いますが、勿論わたくしも混じりけの無い敬意をもって氏にもクリエイションにも向き合わせて頂いている中で、衣服本質的な内容にピントを合わせ続けているのはクリエイションを経験する前の段階においてもクリエイションを経験した後においては尚更、それぞれがあまりにもプラクティカルであるから好きと愛と情が上昇して往くのですが、そちらがグリーンで、君がピンクで、なぜあなたがブルーで在るかなんて創作過程を理解できれば理解できるのは当然ですし純粋な着眼点として目に映る例えばグリーンとピンクとブルーが自然記憶色だとして、美しいと憶うこれも純粋な美覚による関心事ないし興味心、総じて生まれた強い疑問も、なぜこの画が美しいか入り込み,沈んでいく姿とおそらく等しく、決してアートではありませんし疑いようも無く無垢な “ 服 ” でありますし裸の衣で御座いますし、それは永久に変わる事はない平行線の真実で御座いますが、自然創造物という観点からこれも紛れもなく “ 創作品 ” である事実と平行して、それぞれは詰まるところ “ 人である ” とカリーム氏が表現している事実(は置いておいて) “ 創作品を着ているわたし ” と “ プラクティカルな服を着ているわたし ” の双方を、相合わない内容かもしれないと常に後者を優先して参りましたが、折り紙のようにこの服を折り畳んで1年の間自然に身を置かせた新法は、容赦のない黒々しさと陰影を配したモノトーンによる異世界。ウェイタージャケットの肉感を、風の運びに任せる煙のようなマテリアルを、螺旋のようなテキスタイルを、緊張感のある線の拘束を、創作品として深いところまで見蕩れてしまい、わたくしが大事にしているプラクティカル最強論を空まで突き破り、粘着性をもって心に張り付いてくれました、ORIGAMI 4Saison。
いやそれにしても、折り跡を美しいと想えるとは、

 

 

 

 

 

 

 


Origami & 4Saison, black cotton waiter jackets

 

 

 

 

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