ツイードというのは基本的に粗野で乱暴でなければならないと憶う理由として湿気の吸収性やら物理的強度やら可視化し得る紳士性と数滴のナーディズム、その他に、修繕が大いに可能である “道具(=外套)” としての付き合いがより明確性を持つためと耽りながら、粗野で乱暴なそれらは結局のところ、粗野で乱暴でしかなく、粗野で乱暴な道具でしかなく、粗野で乱暴な道具でしかないお洋服を皆様へご提案させて頂こうなどとは到底憶えず、綿密な精査と探求と運と時間が必要でした。
もしこいつがいなければこの先の冬をどうやって越せば良いだろうかと、突如として特定女性を失った哀しみやら絶望感を感取する一例と同様、凄まじい求心力を備えるかの一線。その求心力の正体は、今現在、意識のほとんどを其処に向けているフィッティング・プロポーション、身体との均衡、着用感取は主にオーバーコートとしての機能がどこまで正確か。そもそも着て / 過ごす / 人に会う のであれば最も重要な要素と注視しております。そして上記いずれをも基底とする粗野で乱暴なスペシャル・ツイードであらば完璧無比ということで、例えば1951年製のBespokeで御座います。
当時の “御仕立て” においてはグレードランクのウール、カシミア、いずれもデューティー性ではなく重きを置くはラグジュアリー、高級感、より良い質を求める動きと見識は当然の行いでしょうし、パーソナルピースとして存在するそれらの出土は限りなく少数と自明の事ながらも御縁叶うは、其の当然の行いから仕立てられた個体。いや、素晴らしいのですが。ビスポーク・ツイードという選択は粗野で乱暴な酒飲みの粋な思いつきではなく(そうかもしれませんが)戦後、雨と湿気とダストから身を護るリアリストの精選と腑に落ちやすい推考点。イエロートーンにまとめられた情感ある暖色糸、立ち姿が抑えられた襟の形状、制御的な前振り、ターンバックルカフ、特注製のリアルホーン。純然無垢なチェスターフィールドコートとして依頼を遂行した英国テイラーネーム。
何卒、御賢察の程を。
Newarrival 1951s British bespoke tweed over coat
10/5(金)12:00より、
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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