粋じゃあないか / Diary523
4.4.2018

私の生業は世界中から心惹かれる品々を探し出し、皆様に御提案することなのですが、現在の SURR におきましてはそれが全て 1 点ものとなりますがゆえ、しいて例えるならば惚れた女性を誰かに嫁がせる, 真に愛する女性とは必ず結ばれないという悲哀なる運命の奴隷でございまして、ゆえに自身の身に着ける品々がおろそかになることが多いです。基本的に自身へのそれは偏屈で厄介な偏愛に満ち溢れておりますが特に装飾品の類は本当に厄介中の厄介でして、なぜか心臓に近づけば近づくほど判断基準が絶望的に厳しくなります。

私は数年前までブレスレットを愛用したことがありませんでした。厳密に言えば気まぐれで幾つか付けていたことがあったかもしれませんがすぐに外してしまったため愛用には至らず、どんなものを付けていたか, そもそも付けていたことがあったか否かも覚えていないほどです。しかし私はブレスレットが欲しかった。寝食を共にし、酸いも甘いも共有できる相棒が欲しかった。だって、やはりブレスレットの出で立ち格好良いじゃあないか。粋じゃあないか。しかし真に愛する女性という名のブレスレットに出逢ったとて結ばれることはなく、かつ現代の様々で良いと想える品はない。ほとほと困り果てた私は、ここでもやはり歴史の裏付けに頼ることにしたのです。 ( 余談ですが、このような流れで同じくに頼ったアイテムは他にも幾つかあります )

4代目社長が港を散歩している際に着想し 1938 年に発表された絆の意を汲むそれは、ブレスレットという存在において極めて正統的であり、かつ “ どこの何か ” という意味合いにおいて高い視認性を有するフォルム。作為的な意図を除いて分かりやすいものを身に着けることがなかった私にとって従来であれば選択肢の外にある存在ですが、長年変わらないデザインという歴史の裏付けと究極的な正統性から現代のそれを選ぶに至りました。
しかし、極めて極めて正直に申し上げますと 120 %惚れ込んでの選択ではありませんでした。上記の他に、もうブレスレット選びの苦悩に終止符を打ちたかったという気持ちが正直に申し上げまして大きかったです。共に過ごしてみるとブレスレットを愛用したことのない私にとっては物理的に重く、書き物をすればキャラキャラと鳴り生活において常にその質量を実感せずにはいられませんでしたが、気が付くとどっしりとした重量が安心感となりキャラキャラというサウンドが心地良くなり、私にとって “ 120 % ” なブレスレットとして寝食を共にし、酸いも甘いも共有できる相棒となって今に至ります。言葉では現わしきれませんがやはり格好良いのです。なんというか、粋なのです。

80年間受け継がれているモデルですが極めて極めて微細に異なる数か所と、なにより銀の表情にはヴィンテージをお選び頂く価値が十分にあることと思います。この度の御紹介は 5 段階のうち上から 2 番目の太さ。偶然にも私のと同じであったことは個人的に喜ばしい限り。

 

 

 

 

 

SDIM0425

Comming soon 80s Hermes , Chaine d’Ancre , GM

 

 

 

なお、ネックレスは未だ未発見 / 未着用です。先日も敬愛なるとあるジュエリーメーカーで好みな一つを見つけたのですが私が付けると首輪のようになってしまったため断念。100年以上前でローズゴールドで王道的かつ独創的なプレーンチェーンなんてあれば、最高なのですが。

 

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