先日お越し下さったお客様は、「自然と緑に手が伸びている」と仰っておりました。ファッション的なベクトルより、“ 色の感覚 ” が無意識に先行しているそのご様子は、誰がなんといおうと緑に対する無垢な愛を示されているうえに、自分によく馴染む色だということを地球上の誰よりも理解されている、あるいは、洋服が並ぶ空間においてさえもキャンバスに描かれた絵を順々にみているような具合、私自身ハッとさせられる瞬間でありました。(いつも御愛顧の程をありがとう御座います)
自分が似合う色というのを微塵の留保もなく自身で弁えるというのは、 “ 色の実質的支配 ” でありますし、それは高潔な其儀のようであります。獲得したそのお色やテキスタイルというは紛れもなく天色。その方にとっての主要資産で御座いましょう。
人生はバラ色のように。
ことファッションという世界において、随一、エモーショナルなほどに豊かな色彩力を有する国が、やはりイタリアであるように思います。風土や生活というのは、色における感覚的能力の発動にとって重要な要素なのかもしれません。ベネチアの街並みや、トスカナ地方の芳醇なワインがそうであるように、あるいはトマトの瑞々しい赤がそうであるように。いずれにしましても「手入れの行き届いたイタリア産の色」というのは、視覚的にヴィヴィッドであるという単純な境界線を超え、深いところまで精彩を保ち、淀みなく生彩を放出し、それはなにか濃厚な栄養素のようで、上質な養分のようであります。もう感動的に。衣類に運ばれた色でさえ。
まさに天賦の才。
洋服としての実態を具有すべく選出されたコットン。精鋭された6色。インサイドに採択された絶望的に美しいターコイズブルー。効果的に力を放つネイヴィ,ブラック,レッド,ピンク。全体の威力を抑え込むグレイ。乱雑に,しかしながら整合的に配当されたブロック調のテキスタイル。ミッソーニが提案する身体に沿わせない空間美学。ゆえに成立する懐の深さは、リミットを外し、あれやこれや重ねていただき収集がつかなくなるくらいでも見事に成立するほど深く、スーツの上にお召しいただいても不自然さを超えて自然に現れるほど深いもんですから、今日はこれでいこうと習慣的な組み合わせの最後にそうだ忘れてたと言わんばかりに事務的に吸収頂けましたら。気がつけば “ 色の実質的支配 ” でありますし、高潔な其儀という一例を、まるでエクスタシーのように感じて頂けるものと。
Newarrival 80s Missoni sport cotton jacket , block textile
宜しければこの機会に。
SURR by LAILA 小林
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