我々の店は “ 男性に向けて ” の ( この枕詞的な前置きも、もういらないかなと思っています。なんとなく感覚的に ) ヴィンテージ専門店であり、ヴィンテージの世界においても ( ごくごく一部の分野を除いて ) 格好良ければなんでもオーケーなある意味節操のないスタンスですので、現代の品を扱うお店のように各サイズ展開や追加入荷はなく、特定の分野専門のヴィンテージのお店に比べるとその分野においては知識が充分ではない状況でずっと運営してまいりまして、服飾に関わる小売りとしては “ はい、プロフェッショナルです ” と少しでも胸を張って言えるように弊社なりに精一杯向き合ってまいりましたものの、全身の装いにおけるパーツの何かが常に必ずご用意できていない状態 ( ある瞬間はシャツがゼロであったり、スニーカーがゼロであったりetc ) のためにフルコーディネートを御提案できないという体たらくであったり、ヴィンテージ専門店としては “ はい、プロフェッショナルです ” と少しでも胸を張って言えるように少しでも経験が積めるように出来る限り広い範囲に目を向けてきましたが、例えば一分野を追求されるお客様がいらしたらいまだに我々が教えて頂く立場です。 ( そういった専門的なお客様がいらしたら未だに嬉々として色々質問してしまいます )
つまり我々の店と我々は引き続き精進真っ最中であり不完全も甚だしく、各分野において完璧なプロフェッショナルになれていない中途半端な存在ということなのですが、その状況において私は一つだけ個人的に好ましく思うことがあります。それは不完全で中途半端だからこそ服飾における様々なルール?や慣習?に縛られる感覚が無いということでして、ことテーラードジャケットというアイテムに関しても、その縛られない楽しさを常に感じています。
もちろん業態によってや個人によって様々ございますし、テーラー専門だから縛られているというわけではないのですが、例えば袖丈や着丈の比率であったり各所のフィットやアン・フィット、そして着こなしに関してもかねてより本当に自由で良いと思っていましたし、その思いは年々強まっています。例えば日常的な動作性が高い人は可動域を広く置けば良いし、ピアニストは袖丈短めを好めば良いし、ロックンローラーはマイクを持った時にちょうど良い袖丈になるように右側の袖だけ長くすれば良いし、的確なボディフィットが好みであれば各所を綿密に精査すれば良いです。それこそコーディネートなんて時には同席する相手や置かれる環境に配慮が必要ですが、そうでなければマジでなんでも良いと思います。マジでマジで。一人一人の丁度良い感じを探って頂くのが一番ではないでしょうか。着方も本当になんでも良いです。ジャケットの構築や生地に無理がいき過ぎなければ。
ちなみに私は本日カシミアのフランネルジャケットに、シャツ素材レベルに薄いコットンのタックトラウザーを合わせています。ブザムシャツですがタイはせずネックボタンもジャケットのフロントボタンも留めていません。上半身が秋冬向きで下半身が夏向きに加えて靴はコインローファーですが暖かいウールソックスを履いています。最近は頭のてっぺんからつま先までで防寒数値が100 ( まだ朝夜が若干冷えるので防寒意識です ) になることを意識しておりますので、ちぐはぐかもしれませんが今日の私にはこれが丁度良い感じです。今はこの格好で椅子に座って、真後ろの窓を全開にしてこの Dairy を打っています。とても良い感じ。
ということで今年も春から初夏にどうぞなサマージャケットを御提案させて頂きます。これらは5月1日(土)に店頭にて一挙お披露目させて頂きますので、引き続き余談を許しませんがお近くにお越しでお時間ございましたら・ご興味頂けましたら・丁度良い感じに成れましたら是非にと思います。
New arrival in 1st May, Summer jackets
どうコーディネートしても良いと・どう着こなしても良いと心から思えるようになれたことは本当にラッキーだなぁと思います。それこそ丁度良い感じで日々を過ごすことでテーラードジャケットを着ないという選択も紛れもなく GOOD です。しかしながら僅かでも興味があったら僅かでも興味があるような気がしたり、気になるあの子がジャケット似合いそうじゃない?なんて助言してくれた暁には、心からご推奨したいのがテーラードジャケットという服の形状美と機能美です。
SURR by LAILA 福留
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