好み / Diary917
29.9.2020

昨日読んだ冒頭から内容の解らない漫画、先日観たネタバレを読んで初めて理解の出来る映画の各々で感じ取って下さいと試されたような手法は、それはそれで面白いと感じる反面、やはり賛否のある内容に思えます。例えば、絵のタッチや撮り方でしたり、作者への信頼、出ているキャスト、キャラクターの好みは置いといて、その情報もすら無いフラットな状態で、理解の試される作品のメッセージに触れた際にそれが異常な程好きに変わる感覚。ある種、良い意味合いで裏切られた気持ち良さや自分の尺度には無かった新鮮さが更に興味を抱かせる、言わば嫌いだった人が好きになるような、苦手なもの克服した達成感のような自分が急成長した錯覚のようなあの感覚。今回の一着に関しまして好みは分かれるかと思いますが、皆様どうでしょう?
 

 

まず、後にも先にも”歴史的な記録”と自社製品にタグを付けるデザイナーはいないかと想います。それは自信の表れにも感じますが、”開発した生地の記録”が正しい解釈なのかと不透明な部分ですが、そう感じるのが一目瞭然な生地への拘り。

 

 

コットンナイロンの表地はコーティングが施されており、その生地の裏面から白色のブリーチ剤では無く、ペンキの様な顔料なのか、通常衣類には施さない溶液なのか。裏面から垂らしかることで滲む表地の白いペイント加工は前衛的に、むしろ変態的に捉えられます。

 

 

トレンチコートとして、またミリタリーウエアとしての襟裏のステッチワークやガンフラップの装飾性。エポレットやウエストベルトの位置は男性的な印象を受けますが、イタリアらしいしなやかな素材の選択や取り外し可能なエポレットの有意はトレンチコート=男性の為の衣類としての解釈では無く、日常的に纏う為の利便性と機能性に特化しています。

 

 

群青色の菱形状のステッチワーク。中綿の保温性もさることながら、なんといっても”軽さ”。
 

 

Massimo Osti氏の在籍していた輝かしい時代の産物。袖を通すことで、第一印象からは想像出来ない、日常に則した一着である。と改めて想います。
 

 

New arrival, 1994s C.P.Comapny cotton & nylon painted trench coat with quilted lining

 

 

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