条件 / Diary885
7.7.2020

 

 

”仕立て”に関しまして各国々の癖でしたり特色として捉えられる、縫製や生地の選択に至るまで明確な方向性を持ったものつくりを感じられます。モードの基盤となるフランスの仕立て、硬派で音楽が香る様なイギリスの仕立て。受け継がれる専門家が仕立てることによりその土地の空気感や感性が漂うプロダクトにおきまして、ではイタリアは?と考えますと繊細な縫製と滑らかなマテリアルの選択が上げられます。年々減少傾向にあるサルトリアルの文化は単純計算であと十数年で無くなってしまうとどこかの記事で目にしましたが、1980 年代に自ら仕立て屋を育成する学校を立ち上げた一人のサルトリアリストの存在をご存知でしょうか。

 

 

 

 

Franco Sagripanti 氏はローマの地で仕立て屋として、弱冠 22歳 にして 1964 年に自身のテーラーショップを創業。氏の情熱的で繊細な職人技術に惚れ込んだのは当時ローマからミラノへ拠点を移したハイメゾンである Valentino Garavani 氏。メンズ部門のテーラーリングを担当し、国までもが認めるサルトリアリストとしてのキャリアを積み、仕立て屋の育成を始めとする学校を設立。ヨーロッパオートクチュール協会の副会長を務めるなどの多岐に渡る活躍を見せた職人による ” 仕立て屋の作るスポーツジャケット ” は欠点が上げられない程に ” 美しい ” と言う表現方法しか私には浮かびませんでした。

 

 


 

 

ウールとビスコースによる綾織の透き通る様にライトウエイトでとろみのあるマテリアルの選択から精密な縫製、襟裏や袖裏に施されたスウェード調の化繊使いに色調の渋いオープンチェックを採用したコットンの裏地。大きなフロントポケットはサイドからもアクセス可能な二重構造(本当に便利なポケットデザインです)。現代も尚、メゾンから作り出されているこの様なショートレングスのスポーツスタイルジャケットで勝手ながらここまでの条件を満たしているジャケットにはもう出会え無いと感じています。

 

 

New arrival , 80s Franco Sagripanti Sartorial sport-style jacket.

 

 

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