瞬間 / Diary877
12.6.2020

 

 

昨日に引き続きご紹介とアンティーク・コートへの想いを込めて。

 

 

私のアンティーク・コートとの初めての出会いは 7 年前の SURR 。当時、数回程お店に足を運んだ際に Diary の存在を知り定期的に覗く暇つぶしのような、時間がある時ふと見てしまう日常的なルーティンのような。当時の私には古着屋では無く”ヴィンテージショップ”と聞きなれない、少し大人びた空間に少なからずの緊張をしつつも、今までに無い豊富なヴィンテージウエアの数々は刺激的で中でもアンティーク・コートと言うものへ惹かれたのですが、癖のある体型の私にはどこかを妥協しなければならないサイズ選びの難しい身体つきの為、これだと言うものに中々出会えず。記憶を辿ればいつも通り目にした Diary でそれを見た瞬間何かを感じ、その足で SURR に向かった事を鮮明に覚えています。アンティーク・コートに対する予備知識は 0 に近いほどでしたが、一目惚れとは先にも後にもこの事を指すのだろうと。1900 年前半に製作された一着が未使用のまま現代に残る。それは奇跡的なと言いますと大袈裟かも知れませんが非常に贅沢なコンディションの上、やはりブラックリネンの希有な存在もまたその個体に何故だが惹かれた要素なのかもしれません。

 

 

 

 

働く上で利便性に特化した各所は当時、馬を管理する上で必要な特殊な胸ポケットのディテールやワークウェアらしいアウトポケット、トラウザーズにアクセスしやすい貫通ポケット。私的には曲線を描く襟裏のステッチは非常に一つのデザイン性としての最大の魅力だと感じます。未使用の為、ベンツにステッチがかけられていますが、お好みで解いて頂いてもよろしいかと。

 

 

1930s French work “coach-man” linen coat, Deadstock.

 

 

時間を経て完成する風合いもアンティークリネン特有の魅力的な要素。ワークウエアとしての土臭さと繊細な素材との対比が妙に色気と言いますか、他のワークウェアには無い感覚です。デッドストックの状態から愉しみ 7 年程経ちますが、自分の身体に馴染みとても柔軟なマテリアルへ成長しています。所々エイジングも見受けられ更に愛着の沸く自分の中ではスタンダードウエア、当時私が手にした頃より歳を追う毎に似合っている気がする、と自画自賛ですが共に老いていきたと想える逸品です。

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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