1997 / Diary820
11.1.2020

物心を付いた頃には当時消費税は 5 % でしたが、1997 年からなんですね。と言う事を書く為の 1997 ではありませんのであしからず。本日は私の中ではべストオブベスト、97 – 98 AW を御紹介致します。このシーズンはなんと言ってもミリタリーを模範としつつ、ブラック、ネイビーとダークトーンを中心とした素材やシルエットに重点を置いた非常に秀逸なショー。何ですがこちらのコレクション、当時は ” はずす ” という概念があったのかは判り兼ねますがモデル全員ニット帽を着用。スーツスタイル・シャツ、タイ、スラックスにニット帽。数年前このコレクションを目にしてからは冬にはニット帽を欠かさず被る私が愛して止まないシーズン。是非 ” silent archives ” # 19 を御覧頂ければ幸いです。初期の男性と女性の中間の様な色彩や素材表情、構築とは相対す、近年のコレクションにも精通する静かなエネルギーを感じて頂けると。間違えなく。今回は特にミリタリーのエッセンスが抽出された創作的且つ紳士的な羽織りを御推奨。

 

 

New arrival , 1997 AW Dries Van Noten military – style tailored jacket .

 

テーラードとミリタリー、どちらも男性へ向けた成り立ちを持つ、普遍的、いつの時代も男性を魅了するもの。テーラード × ミリタリーの掛け算の要素より引き算の巧さが面白い一着。伸縮性のある、 Dries らしいニッティング技術と漆黒と言える黒の中でも黒を感じられる深い色味。ヒップラインを隠す着丈の長さと大判なポケットはハーフコートの要素且つ、Vゾーンの高さからウエストのシェイプまで非常に要素が多い一着。ですが初期頃に彼が敬愛するオーヴァーフィッティングに比べるとミニマムな様式の為、何度もこの言葉を使いたくはないのですが ” タイムレス ” な物つくりを基盤とした多くのクリエーションの中でもより深い処に居ながら現代に措いても新鮮さを感じる、サイジングの引き算の光る非常に凡庸性の高さを感じて頂ける逸品。

彼のものづくりは男性と女性の中間の目線から始まりました。しかし、彼の言う中間は男性は男性、女性には女性への提案となると、矛盾点がある様に思えましたが袖を通した際のアイデンティティを最大に発揮される紳士的な美しさは結果的に男性への提案になりえると考えてしまいます。

 

 

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