我がまま設計 / Diary798
27.11.2019

Designers にせよ Maker にせよ Military にせよ Work にせよそれぞれ製作に伴う意図が在り方向が在り、設計者や職人による好き好みや場合によっての癖 ( へき ) が在りまして、弊店はそれらにしっかりとした想いの重さと心意気ないし配慮が在れば輝かしく感じ、更に上質な目線や要素があれば美しく感じると改めて想った今期でして、まるで身体に乗っていないかのような軽さ・軽やかさの要素, どっしりと身体を覆うことでの存在感の要素, 身体の曲線を美しく演出する設計要素, 身体に寄り添わない独善的な設計要素など、それぞれに輝きと美しさがあり、どれも正解であることを再確認致しましたが、意図にせよ方向にせよ好き好みにせよ癖にせよそれらの熱量と要素性が高まれば高まるほどに特異性が増しますので、その際に私は “ 厄介な存在だなぁ ” と素直に想うのですが、それと同時にこの我がまま設計がどなた様かの御身体や御心に寄り添う瞬間を夢想せずにはいられませんので結局のところ独りで極めて極めて心躍りまして、様々がある弊店の中でその要素が最も強い傾向に在るのはやはり Antique の区分であり、その中でも特出するのはジャケットでございますが、この度の新作に在ります一着もまた本当に本当に我がまま設計でして、ほとほと口角を上げながら困り果てております。

 

 

製作の意図や方向, 設計者や職人の諸々は本当に多岐に渡りますので、その前身であるチェスターフィールド・コートを香らせるような丈感や装いの着地点が在ったり、逆に機動力を追及したかのような, そうとした想えないような要素が積み重なっていたり、社交性の中でもより限られた品格の場を想定していたり, その逆であったりと、テーラードジャケットという文言一つで取り急ぎまとめたとてその細分化は現在においても様々で面白いのですが、そのアンティークとなりますとそれこそ社会も製作設備も判断基準も現在と大きな差異が在りますので、細分化と一着一着の仕上がりという名の解は複雑怪奇の極みで面白いをとうに通り越し面白過ぎますが、皆様御存知の通りアンティークの世界はそれはもう巨大ですので一回の旅でも相当の数に触れられるものの、現実的な着用が叶う現状か否か, 装い性か否かの判断基準を勝手ながら設けさせて頂きますと、終えてみたら出逢いが極めて少ない不思議な世界です。

 

しかしながら稀にこのようなコートを思わせる凛とした背中と丈感と, 崇高な社交界を連想させる襟と, しっかりと社会に向き合った就労意欲を感じさせる生地の選択と, 当然のように注がれる贅沢な職人技術とそれに伴う男性性としての美しさが同居する百年を優に超える時代の一着に出逢えまして、それが一体どんな身体に寄り添うのだろうと想像し辛い厄介な設計となっているにも関わらず袖を通すと “ これはアンティークのジャケットである ” という感情ではなく、もちろん独自性は極めて高いものの “ 現在の装いである ” という感情を喚起させてくれる不思議な, かつ蠱惑的な一着に出逢えますので 本当に厄介だなぁ困っちゃうなぁ と、にやり。



 

 

 

 

 



1910s France,bespoke tailored jacket.

私自身にとって、私が袖を通して難なくアンティークらしく成らない純正のアンティークジャケットは稀有な存在ですので、この一着が身体に寄り添わず安心致しました。御縁を結べるまでにどれほどの時間がかかるかは解りかねますが、必ずどこかに御身体ないし御心に寄り添われる御方がいらっしゃることを信じております。もしかしたら貴方が注文主の生まれ変わりかもしれませんね。なんつってみたり。

 

 

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