運動量を経た精査 / Diary725
29.5.2019

御人によって異なる判断基準, 趣味嗜好, そしてそれに伴う視え方の違いたるや、その千差万別で全てが正しく、きっと厳密にそれらはぴったりと重なることなくそれぞれの方向に向かって, それぞれが等しく美しい結果に向かって進み続けることが本当に本当に素晴らしいと, 尊いと想って止みませんで、そんなそれぞれに対してほんの僅かでも豊かになる要因に成りたいと願っていることは以前綴らせて頂きましたが、弊店にて御提案させて頂く品々には “ 時を重ねることで変化する一つの基準 ” と “ 変化しない二つの基準 ” を除いて制限を一切設けていない理由の一つは、前述の通り御人によって向かう方向や結果が異なるがゆえと我々が想って止まないからでして、その点を 節操がない と言われましたら何一つ返す言葉がございませんが、それ以上に節操がないからこその感覚器官の運動量と、その運動量を経ての精査に重要性と魅力を感じておりまして、例えばこと足元に関しましては制限を設けていない, 制御をかけていないうえで現状は革靴しかございませんで、それも運動量を経た精査の結果なのですが、それこそサンダルそのものもスニーカーの新作も御提案できていないことは我々にとって恐縮と反省の繰り返しでありながらも引き続き現状を打開する予定はございませんので、今年一年も革靴を御提案させて頂くことと、どうやら相成りそうです。

その現状は決して正しい / 正しくないといった概念ではなくあくまで我々の基準と判断ですので、それこそ皆様方それぞれに在られます向かう方向と結果に沿っておりましたら心の底から嬉しく感じる次第ですが、こと右足と左足で一つとなる、国や時代や文化に基づく構築理念と美意識と、何よりも職人の技術力を結晶化させた物質的に単純明快な美しさに関しましては、例え沿っておられずともほんの僅かでも御興味頂けましたら是非にと強く強く想わずにはいられない説得力と求心力を、初めて感じたあの日から一切変わらぬ熱量にて抱き続けている次第です。それは望郷の念と美意識が同居した王道なようで異質な注文靴にも、“ サイド・エラスティック ” という機能性と美しさを両立させた知的な一足にも、堅牢さと繊細さを丁度半分で融合させた反則的なほど明確に格好良いブーツにも、最上級の技術と経験値と実行力にて仕上げられた全てにおいてタフでカジュアルにも関わらず履くと脳内にエレガンスが響き渡る一足にも、それこそそれぞれ向かう方向と結果が異なりながらそれぞれに等しい熱量と美しい熱意が込められておりまして、精査を経て我々にとっての “ より厳選 ” という現状に成りながらも、このように千差万別な存在を物質として認識・経験, なんと言っても御提案できることは、やはり幸せだ と想います。

 

 

 

 

 

それではささやかな癖である夜の散歩に行ってまいります。

 

 

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