Karma / Diary704
15.4.2019

憶い返すにしても憶い返さなくともテーラードとの付き合い方,テーラードへの向き合い方、其の献言というのは常習性に添うばかりで、それはもうなかなか落ちてくれない油汚れのようにしつこいオファー,御推奨とさせて頂いておりますので引き続き恐縮な想いばかりですが、ドレスアップでもインフォーマルでもやはりと申しますか、筋肉量を個性とせずとも骨格線が中性的でもやはりと申しますか、性別蔑視が遥か彼方の其の昔に消滅したように男性とテーラードの関係性における “ こうでなくてはならない ” 御姿も消え失せては喜ぶべき事項と存じますしベルギートップレヴェルの創り手がラペルを折り畳んで再構築したディナージャケットを提案される時代に、アームレングスを長く設計するデザイナーが一線で活躍される時流に、アカデミー賞受賞監督様が世界PRラインを腕と身幅がジャストフィットの(つまり釦を留めない)ジャケットで迎えるように、千差万別御身体御方の個の性にそっと寄り添うテーラードへ首を傾げる理由など果たして。

 

 

スーツとしての成り立ちではない限りは基本的に寛容で,そして第一義的にも広量で御座いますゆえ、最も日常に近いテーラード其の定義設定と相成る Blazer / ブレザー とは大体を持ってブレザーとの認識であり大体を持ちましてBlazerと理解を深めております片方で、金ボタンでなければならないカルチャー性もなければスクールルックもアイビールックも素の通りで御座いますので、其れがヴィンテージショップの精神かと御叱咤,御叱責の日々で御座いますが、ピークドラペル,コーデュロイもブレザーで御座いましたしグリーンプレイドテキスタイルもブレザーで御座いましたので広域的に視線を向けますと収集がつかなくなる生態区分に見立てておりますもので、おりますが、“常用するからブレザーで在る”とはややばかり表現語弊が混じり、日常的動作に支障を齎さない運動性、作動力が備わるかの一線こそ重要なマテリアルと誠に勝手ながらピントを合わせております終結点はパターンメイクなのか生地の分量なのかフィッティングによる空間コントロールが要素に成り得るか精査判断のうえ、何処様に向かおうにも何方様に会われようとも失礼のない Navy / ネイビー つまりは Navy blazer / ネイビーブレザー とはひょっとすると常習物カテゴリー内において無上ではあるまいかと、奥床しさも慎ましさもない言の葉で誠に恐れ入りますが最強、ではあるまいかと、ここまで来たら謂ってしまいますが天下無双ではあるまいかと憶わずにはいられない内心をそっと撫でておりましたら先日貴重な休日に足を御運び下さったお客様との会話も非常に有り難く勝手ながら嬉しい一時で御座いまして、ネイビーブレザー、ブルージーンズ、くたびれたダービーシューズとはなんとつまらない装いで、なんとエレガントな装いで、なぜ街で見かけないのだろうと第一義的に広量で向き合わずとも確と、其の様に想うわけであります。

 

 

 

 

 

 

 

憶い返すにしても憶い返さなくともValentino uomo並びにValentino Garavani氏の実績や功績や栄光やカラフルな事実はミラノコレクションに留まらず服飾史の彩りに欠かせない重要ピースとは疑いようもない真誠で御座いますしプレタポルテ発足から間もない時代時流において求められた紳士像を優雅に超えてゆくValentino Garavani氏の自由裁量と精神性の鋭さはフレンチ・モードに名を及ばせる切れ味が御座いましたが、自由裁量を引いてはデザインと表現致しましてもファッションを陽気に厳しく愉しむミラノ階級市民へ深く受け入れられたクリアな理由は謂わずもがな 素材 で御座いますし絶対的品質を護り抜くUOMOの冠に際しては取り分け絶の品と申し上げましても過の言では御座いません。その評価は10年前から変わりませんし昨年イタリアをフィールドとしたテーマを掲げさせて頂いていた頃合いに出逢えなかった不運もタイミングも神様の悪戯と惟うにしても今シーズン2個体目の獲得は極めて幸運な運びと存じますのは過去履歴を遡りましてもプレタポルテ発足から間もないValentino Garavani氏によるValentino uomoの御縁はまるで叶わず,其処をフィギュアに御査収頂きましても意義は大いに御座います。此処までの情熱を Navy blazer / ネイビーブレザー に注げる幸福度たるや、カッティングの美しさは譬喩拝借が通じぬところの美しさで御座いますし天から地まで打ち込まれたステッチの運びは裾の9.5cmで止まり、削ぎ落とされたアームホール及び華麗に落とされたストレートフォーム並びにショルダーの包まれ具合は1970年代後期より盛んに取り入れられたショルダーシーンを疑いたくなるほどモダンで御座いますし近代的で御座いますし、当時のミラノシーンに躍動したGianni Versace氏も好んで取り入れていたフレンチ・モードの咀嚼はシンメトリーへの美意識をもってアウトプットされ、大方ダブルブレスト,シングル釦の具像を目に致しますと90年代の製作でもなく当然クチュールでもない1970年代に研ぎ澄ませた業と業は第一義的に広量で向き合わずとも確、で御座いますし第一線から身を引き約15年ばかり経ちますが願わくば、今最もクリエイションとディレクションを拝見したい創造主のひとりであります。

 

 

 

 

 


70s Valentino uomo navy blazer

 

 

 

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