late90s Zilli pure cotton plain shirt

最上質の素材と最上位の技術力を惜しげもなく注ぐことで“世界最高峰の衣”という哲学を表現し続けるZiliに漂うはこの世において極稀にのみ存在するラグジュアリーを突き詰めたからこその狂気でして、双璧を成すブランドやメーカーはほとんど存在しませんが数少ないそれらと同じくやはり強さと癖の塊で、そして同じく強さと癖が当然ながら微塵も下品ではない品位の結晶であるということ。Zilliのそれも凄まじいです、モードの本国であるフランス発祥とあってデザイン性や装飾性におけるそれらが唯一無二に濃いったら濃い。

このプロダクトと向き合って思いました、あぁシャツって存在するんだって。今となっては当たり前じゃんと思うのですがいかんせんヴィンテージZilliにおいてこれまでに出逢ったことが無かったものですから、まぁそもそもにおいて極小生産体制を貫き続けているブランドゆえヴィンテージZilli自体の存在確率が著しく低いのですが。
ボタンダウン,胸ポケット付き,BOXYなシルエットとシャツはシャツでもカジュアルのベクトルに振り切っていて基本に則った奇をてらったディティール皆無ですが、スイカに塩の最上位版よろしく逆にエレガンスと存在感が突き抜けまくっている一着。唯一個性と言えるワークカルチャーなトリプルステッチですが、アイキャッチの効果は抜群ですね。
あと色が物凄いです。ピンと張り詰めた高密度の織りによって角度にとって艶かしい光沢が産まれるのですがふとした瞬間にほんの少しだけ紫味を感じさせてくれる一面もあったりとエレガント過ぎて逆にえぐいと言うか逆に着る人を選ぶのではと思わせてくれると言うか。実際は着る人を選ばないんですけどね、それくらい強さを感じる生地感なんです。

ヨークも当然ながら極狭だったり少なくとも日本では製作できない細さのシームだったりと限られたブランドやメーカーでしか見られない“世界最高峰のシャツ”と胸を張れる要素が詰まった一着、言ってしまえばただのシャツですが、このムードとオーラを実現することは極めて極めて困難です。
だからこそ特出してラフに,言ってしまえば雑に着て欲しいというのが弊店の勝手な想い、ボタンも適当に留めるだけで袖も適当に捲り上げて空気をはらんで羽織るだけくらいな感じで。ラフや雑は中途半端なプロダクトだと情けなくなるだけですが、最上質なプロダクトなら逆に良さが引き立ちますから。真面目に着るのはそういうTPOな時にやればよいのです、当然かな猛烈にマッチしますので。