mid00s PRADA Uomo wool&mohair plain black tailored jacket

稀代のファッションデザイナー,ミウッチャ・プラダの世界観においてテーラークリエイションもまた欠かせない要素の一つ。事実、彼女はPRADA Uomoの設立にあたって仕立て文化だけ外部に勉強しに行くほどテーラーにこだわっていました。ちなみにその勉強先も世界最高峰の仕立て一族、流石です。

2000年代中期のこちらはクリエイション的にもシャープな洗練性が際立ち始めた頃と会ってテーラー特有のスッキリとした出立ちとがモダニズムを特出して感じられる一着、シャープな洗練性と言えどあくまでテーラードジャケットらしさは残っておりますので、“ホラ、細身で綺麗でしょ！“といった分かりやすい設計ではなくあくまで古典的な仕立て文化に則っていながら独自感性による洗練性を付与したミウッチャのオリジナリティが存分に発揮されていまして、このスタンダードに潜む彼女の男性像における美意識こそ、ミウッチャ・プラダというファッションデザイナーの醍醐味の一つであると切に思います。

ウールとモヘアの50：50のスリーシーズン仕様もさることながら漆黒ではなく墨黒,ランプブラックであることが特に抜群な要素性。それによりモノトーンの美しさを冠婚葬祭ではないモードの目線で楽しめますから、コーディネートの振り幅の広さも一年を通して様々なシーンで、そしてこれからの人生において様々な時間軸にて御体感頂けることと存じます。