1894年に初代：ジョン・バブアー氏が設立したOilskin Clothing(当時のチラシのこの肩書？が記載されているそう)メーカー Barbour。

その始まりはイングランド北東部の小さな港町サウスシールズでタラやニシンの漁夫が管板で着用する衣類の製作から始まり、当時は地元の様々な職種に向けて、時に人々に“どんな作業着が欲しい”などのアンケートを取って様々なプロダクトを製作していましたが、1900年代に突入して就任した二代目：マルコ・バブアー氏がより多角的多方面的な展開を模索し、当時の小さな港町メーカーでは珍しい世界に向けてのカタログ発行やより幅広い各職業などに向けた専門プロダクトの設計及び様々な需要に対する対応を推し進め世界進出を目論み、WW1やWW2を経て着実に認知度と実績を積み重ねていました。

そんな中“どのような気候・環境でも快適に運転できるバイカーウェア”の開発に着手した二代目の息子：ダンカン・バブアー。自身もバイカーであったことから様々な気候錯誤を繰り返し完成に近付いていきましたが、その過程で最も参考かつ御手本に成ってくれたのは、地元の人々にアンケートを取って初代が練りに練った各プロダクトや、それを受け継いで更に発展させた父であり二代目のプロダクトなどの先人が残してきたアーカイブモデルだったのです。

特に豪雪地帯2輪運搬車用モデルアーカイヴモデルはほとんどの“答え”が遺されており、特徴的な配置感サイズ感のポケットやウエストベルトのバランス、ジップアップの後に右見頃に小さなフラップがあり, それを被せたうえでスナップを留めてフラップが被る独特なフロントの合わせなど防風・防水・防御に関わる全ての要素が既に完璧に捉えられていたそう。
このような先人たちの知恵と一族の努力が結実して1936年に完成したバイカージャケットは、小さな港町サウスシールズから世界に羽ばたくことを願って INTERNATIONAL SUITS と名付けられ、実際に数多のバイカーが世界大会で着用したり銀幕を飾ったり、王室海軍と直接的な開発のきっかけに成ったりと、実際に世界に羽ばたくきっかけの重要な一要素と成りました。

弊店はそんな INTERNATIONAL を心から敬愛しております。長めのジャケットモデルやハーフコートモデルなどのバランスも存在する中で二輪車という良い意味で非日常環境だからこその独特なレングス感に、前述した特殊な前立てとベルトの着こなしふり幅、その一族に留まらず世界中のデザイナーを魅了してきた論理的プロダクトデザインとしての完成度など、美しくも逞しくもあり土っぽくも瑞々しくもあるスタイル性で、FASHIONプロダクトと言うよりもLIFEプロダクトと言える、真の機能美に満ち満ち溢れた一着です。

この度は87?90年代に製作されたピリオドの一着を入手致しました。生地感的に80年代の終わり頃ではないかと存じます。オイルの風合いも抜群で使用感や風合い変化や修繕が在りますが、ヴィンテージバブアーの世界においては充分にGOODコンディションと言える個体を御提案させて頂きます。サイズ表記はございませんが、着用感覚的に48から50サイズの身体向き、ヴィンテージ年代のバブアー表記で言うところのC42からC44と推測されます。これはあくまで素直にフィットさせたバランスとなりますので、この完成度ゆえフィッティングの自由度も高いゆえあくまで参考程度に　と思います。 は二代目のムスク：ダンカン・バブアーで自身もバイカー。試行錯誤を繰り返し試作品を製作し続ける過程で最も参考・お手本に成ったのが先人のバブアー一族が開発してきた過去のアーカイヴモデルで、襟の仕様やフロントの特殊な合わせ、ポケットのサイズや位置、ストラップのバランスなど防風・防水・防御に関わる全ての要素が既に完璧に捉えられていた。 1936年に完成した INTERNATIONAL SUITS