芸術とファッションを独自にコネクトし“着る絵画”と称されたミッソーニ夫妻のクリエイションによって服飾史がより豊かに成ったという解釈を弊店は賛同致します(もちろん新開拓というのは偶然的に必然的に同時多発的に起こりますので、ミッソーニ夫妻にもそのような挑戦をしたパイオニアは居ります)。
ことヴィンテージ・ミッソーニの芸術感覚は主にニットピースにおいて発揮されますので、それ以外のウェアプロダクト自体がそもそもにおいて新鮮な存在。ニットピースに比べると製作数が少なかった点、過去所有者が手放さなかった点など発見率の圧倒的な少なさの理由は様々ございますが、こと本品のように出逢えるとその豊かなスタイル性とムードに感嘆せずにはいられません。

ノーカラーにボリュームに満ち満ち溢れるシルエットにポケットをちょん。ファッションの世界においてカテゴライズされることのない万国・万世代・万様式共通のスポーティーでナチュラルで非装飾なボンバージャケットだからこそ際立つ芸術感性でして、オリジナルテキスタイルとして精製された非対称の幾何学模様と色彩感覚の迫力と美しさにはもう拍手喝采で、やはりオーセンティックなボンバージャケットだからこそ直線的にその美意識を許容できますが、そもそもにおいてミッソーニ夫妻がファッションの世界に芸術意識を取り入れてくれたからこそ、私たちが受け入れられる土台を獲得できたのだと思います。

柔らかい綿の風合いにクラシックを拡大解釈したボリューミーなシルエット構築。軽やかで動きやすく素直な素材感によって成熟した人間性を癒し楽しませ着る時間を可能な限り豊かにすることを目的としたライフスタイルプロダクトだからこそ大胆なテキスタイルとカラーリングの存在がより際立ちます。
アイテムとしてヴィンテージ・ミッソーニらしくないアイテムですが、その根幹には夫妻のファッションアイデンティティーがこれでもかと詰まっておりますので、明るく楽しいアートファッションプロダクトとして現代の装いでお楽しみ頂けましたら幸いです。