1960年代イタリア空軍・空挺部隊の一品。
ミリタリーの区分では時たま出逢えるオーバーパンツは、それ単体ではなく何かを穿いた上に穿くトラウザーズという日常ではあまり見られない目的性ゆえの、独特で時に不思議な構築が特徴であり時に魅力な存在。それらには現代感覚で捉えて単体で着用できる構築とできない構築に分かれますが、本品は喜ばしいことに後者でありかつその中でも特にモダンにお召し頂けるバランスに仕上がっています。

本来合わせられていたイン・パンツがしっかりとしていたこともあって、当オーバーパンツはとてもライトウェイト。ミリタリーパンツという区分に留まらず、パンツ類全体を見渡しても類似あまり思い浮かばない良い意味で新鮮なライトウェイトでして、ゆえにラフでデイリーな着こなしを容易に想像できます。

しかしながら機能装飾がやはり独特で、ビッグシルエットにも関わらずウエストにベルトループがございません。が、御安心ください。両サイドに調整のアジャスターと付随しサスペンダーがドッキングされておりますので、幅広いボディバランスでお楽しみ頂けることと存じます。そしてなんと言っても素晴らしいのが裾のディティールでして、スナップボタンで絞れるだけでなく、インシームにスリットが入っておりますので、極めて複雑なパターンにてスタイルを御演出頂けます。

これらは言うまでもなく“ 格好つけるためではなく機能性を追求した結果 ”となりますので、その有用性とデザイン性が直結した説得力は尋常ならざるものがございます。しかもより特殊な空挺部隊の設計につき、例えば通常のボタンではなくパラシュートの紐が引っ掛からないようにスナップボタンに成っていたりと、配慮の精度がより高く、かつより洗練性を獲得しております。

始めからデザイナーズピースとして捉えて頂いた方が、様々腑に落ちられるかもしれません。