弁明と申しますか言い訳と申しますか、記させてください。弊店はかねてより“ 男性に向けてのヴィンテージ専門店 ”という名目にて運営しておりまして、年代が古くなる方向には制限は設けておりませんが、新しくなる方向には勝手ながら制限を設けておりまして、始めは 1999 年までで数年前に 2004 年までに変更と、時間の経過に沿って更新している制限なのですが、この度御提案させて頂きます一着は 2009 年に製作された御品でして、弊店の設定するヴィンテージピースに当てはまりません。
惹かれたとて当てはまらないから泣く泣く選べない　という経験は何度もしているのですが、自分の変化か時代の変化か、そのどちらかでありどちらでもあるのでしょうが、ルールを守ることの大切さと破ることの意義を天秤にかけた結果、こちらの一着を弊店より御提案させて頂くことに致しました。なんと言っても本品を御提案しないという選択肢が頭に浮かばなかったのです。

2009 年に製作されたフランス陸軍の本品は砂漠地帯での活動を目的に設計されました。陸の中でも特殊性の高い立地ゆえの伝統技術と科学技術が結集した構成でして、弊店はミリタリーピース＝デザイナーが国そのもの＝素晴らしい仕上がりで然るべきという基本姿勢なのですが、それらは基本的に時代ごとの最善・最良の要素を取り入れる傾向にございまして、例えば半世紀前は最善素材が高密度なコットンだったモデルが50年後にゴアテックスに替わったりと、技術の進化も極めて大きく関わるのですが、ことこれら特殊性の高い目的であったり要素が在る設計は、そのような科学文化や産業文化が特に大きく関わります。

2000年代の成熟が在ったからこその本品は、科学力や産業文化の要素に色濃いクラシカルが融合した逸品。要素性があまりにも多いため、それぞれを以下に簡略化して記させて頂きます。
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素材は軽いコットンべースのヘリンボーンツイル。
紋様は砂漠用のカモフラージュ。
折り畳み可、着脱可のフード。被った際には顔の周囲と頭頂部から後頭部にかけてフィットさせるドローコード付き。
ポケットは表面の鎖骨下左右、フロント下部左右(それぞれ内側にも小分けの収納有り)、両二の腕、両肘下、背面下部(上部のフラップからと左右のジップ2カ所からの出し入れが可。また内側にマジックテープで仕切りの設置ができ、大きな一つのポケットとしても2つのポケットとしても活用可)。内ポケットは左胸元に一つ。
前立てはダブルジップ＋マジックテープ留め
肘のポケットには伸縮バンドが収納出来、表に出せばアームを絞ってフィット感がアップ。
カフス・ストラップによって絞りが可能。
内側のドローコードによってウエストの絞りが可能。
脇下にダブルジップのベンチレーションが付いており、解放によって通気性がアップ。
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砂漠という土地だからこその純然たるミリタリーピースだからこそ、同区分においても特に異常な有用性は決してオーヴァースペックなどには成ることなく間違いなく現代の街中でも御活用頂けることと想います。それこそ技術革新において日々様々な軽量化が叶っておりますし、その傾向はやはり加速することと存じますので一層にこれらリアル・ギアが必要となる機会も多いのではないでしょうか。様々な側面から視た時に最強クラスもしくはナンバーワンに成れるであろう本品。デザイナー＝国そのものの図式、改めて恐るべし。