きっちりと認識できるフロントであったりそれを軸に変化する幅感であったりと、形状そのものに装身具らしさやリングらしさが在りまして、これらのスタンダードな感はやはり、極めて古い時代の品であったとて古く感じないどころか、時に全くもって古く感じないほど＝モダンに感じられるほどに、良い意味で進化速度が穏やかで、かつ受け継がれる要素性の多い装身具デザインの歴史ならではかと存じます。
受け継がれる要素性が多いからこそ、古い品でもモダンな印象を与えてくれるからこそ、デザインそのものや構築における攻めの姿勢が輝きますし、職人技術特有のミクロな形状美意識や特殊素材・上質素材の強い存在感が際立つというものです。

スタンダードな感溢れる形状の土台となるのは 9K イエローゴールドの無垢素材。その冷たさと暖かさが同居する永遠に不滅な色調の訴求力に五石のアメジストが鎮座する本品です。金無垢の美しさには御存知の通り性差のない美しさが在りますので、それに何かが加わる際には“どのように”調和するかがポイントとなりまして、それによって性の方向性はある程度決まることと存じますが、本品は石の配置や仕上げが特に無骨な印象ということもあって、さりげない男性性を根底から感じて頂けることと存じます。

もちろん、最終的にはどのように愉しまれるかの着地点によって印象は決まりますし、根底に則ってさりげない男性性を際立たせても、逆に何かの要素性を加えて繊細な女性性を際立たせてももちろんのこと正解ですので、是非ともお気に召すままにご堪能くださいませ。
なお、これまたさりげない構築個性ではございますが、本品はフロントが特に前方に突出した形状となっておりますので、上下からのビューも大変に見物でございます。何卒御期待くださいませ。