オート・クチュールからプレタ・ポルテへとモードが移行して間もない1960年に設立されたヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏による Valentino 。服飾史における新たなとして高く評価された氏は、時に隣国で同等に旋風を巻き起こした新進気鋭と並列で語られ“ パリのYves Saint Laurent、イタリアのValentino ”と高く高く評価されました。
時代に応じた創造性を発揮し続けた後 2004 年に同社を去りますが、氏本人の手掛けた“ 紳士服における初期時代 ”の作品群には、モードの本域であった女性服部門とはまた一味異なるベクトルによる確かな美しさ, 不変性, 絶対的な品質を有する秀逸な品々が数多く存在致します。

モードとしての立ち位置を維持しつつ、紳士服として視た際に純粋かつ強く“ 良い品 ”と捉えられる同社における UOMO クリエイションから Valentino のカジュアルラインとして派生した Valentino Jeans 誕生。が1979年にメンズ・ウィメンズ共にプレタポルテにおいて工場により生産背景が変わりますが、クオリティーコントロールは変わらずイタリアの地で継続されます。イタリアの仕立てと申しますと身体に沿う構造から柔らかなでまるで解放された様な身体を包むテクスチャー。ウールやカシミアもさることながら今回の一着はを日常着において欠かすことの出来ない素材 Denim を表地で使用。3ボタンからなるフロントは紳士的な V ゾーンの低さからなるシャープな印象とダーツにより胸元を強調した紳士的なテーラードジャケット。正統的な形状に遊び心を加えたアウトポケットによる構築性と相対する本切羽、ミニマムを追及したかの様なショートレングスな着丈とノーベントによるドレッシーな要素。半裏地と袖裏地に施されたグリーンカラーとポップアートの様に抽象的なパターンモチーフが袖を捲った際、デニム素材とのコントラスを堪能頂けます。経年によるマテリアルの風合いの変化はこれから更に美しい退色が期待出来そうです。