本作は1950年代頃、フランス陸軍へ向けて製作配給されていたユーティリティスモック。同国では1990年代頃まで採用されていたディテイル、その源流に近い個体で御座います。

特質的ともいえるカラートーンは元々濃いブラウントーンに染色されていた個体と推測も適い、幾度となく洗われ、着用の連続と本来の赤みを帯びた染料が功を奏し、美しきサーモンピンクに昇華された刮目点であります。同国における、主にスモック・アノラックという活動着では時はたまにオーバーダイされた個体発掘がありますが、セクションや目的性に沿いカラートーンで視覚的認識を齎すはたらきと、階級により色差を顕す試みと、あるいはミッドセンチュリーという特質性、時代背景より、配給物としての宿命から一般市民の街着として愛用されるにあたり、個人主様の施しという其々の可能性を孕みます。本来の御色はホワイトベースで御座いますので、本作固有の魅力と御査収いただけましたら。洗い込まれたコットンの清潔感、軽快さは着脱懸念からも抜け出し、フィジカルに御付き合いいただける容姿であります。鍛え抜かれたような質感にフットワークの躍動感、フードの有用性、マップポケットの利便性と、是非とも都会活動着として御愉しみ下さいませ。