こちらもまたミリタリーカルチャーにおける名作的な立ち位置の一つ、フランス軍空部隊のプロダクトです。空から地上に降り立つという非日常の任務がゆえに考案された特殊設計の数々は、数多のミリタリーピースの中でも特出して独特かつ構築的。その設計理念の根幹がやはり着飾るためのものではなく機能として性能としてのものだからこそ、独特かつ構築的なそれぞれは結果的にファッションとして特に圧倒的な説得力を獲得しました。

その中でもフランス空挺部隊は40年代後期から50年代中期頃の期間で7回も仕様が変更されたという興味深い歴史がありまして、いかに重要な存在であったかが伺えます。こちらはそのうちの4thモデルでジョガー仕様の裾が特徴です。

ヘリンボーンの生地にリザードの明細としっかりとした味付けに加え特徴的なスナップボタンのポケット仕様、サイドアジャスター、ダブルのバックポケットとミリタリーらしい意匠が満載。特に通常のボタンではパラシュートの紐が引っ掛かる恐れがあるため変更されたスナップボタンは空挺部隊らしさの象徴と言えるディティールで、それが並ぶ姿は見事なまでにファッショナブル。数多くのモードデザイナーが魅了されるのも納得です。

前述の通り4thモデル特有のジョガー仕様の裾が最高にモダンな印象を醸し出してくれますね。未使用と推測できるほどのコンディションも相まって極めて現代的な着こなしに当てはめて頂けるのではないでしょうか。最近特に正々堂々とした迷彩柄にモダニズムを感じるのは私だけ？