1800年代中期頃に設立されたフランスにおけるワークウェアカンパニーの中でも老舗の立ち位置となるアドルフ・ラフォン社。有名無名・大小問わず様々なカンパニーが存在し、それぞれのさりげない個性が魅力のフレンチワークウェアですが、中でも同社は丁寧でさりげなく美しい設計と構築が魅力です。

個性や特徴が様々あって時に大胆で時に静かなそれらが楽しい楽しいフレンチワーク・カルチャーでして、それは年代が古いから・新しいからには関わらないのがまた面白い。弊店は2006年頃？からフレンチワークの世界に触れ合っているのですが、当時に“この形のこのディティール珍しいな”と思った希少種はそれ以降も変わらずに希少であり続けますし、未だに初めて出逢うようなディティールやスタイルがあって、いかに様々なバリエーションが在ったのか,いかに個性が必要とされていたのか。その底が今でも計り知れず知れば知るほどに奥深さと面白さに惹かれます。それらが全て働く＝文化を発展させるという理念に則っているからこそ、本当に美しい世界であると切に思います。

アドルフ・ラフォン社が70年代に製作した本品。親愛なるフランスの青、イヴ・クラインを連想せずにはいられないフレンチワーク特有のブルーモールスキンを纏い同区分においておそらくは最もベーシックであろうカバーオールジャケットの形状なのですが、おやおや、襟がなんだかおかしいですねぇ？
なんとスタンドカラー形状で仕上げられた希少個体、弊店は2年前に初めて出逢いました。首元の超非王道とそれ以外の超王道の調和はラフォン社らしいテーラードジャケットごたる縦長のパターンメイクも相まって特に上品なリアル・フレンチワークピースに仕上がっています。

生地の張り感もまだまだ残った“これから”が楽しみでならない一着。絶対的に便利な日常着であると同時に間違いのないスタイル性と不変性を絶妙な個性で楽しめる一着、きっとそう遠くない未来に選んだ自分を褒めたくなることでしょう。