Ballantyne cashmere / Diary111
26.2.2015

雨には雨の心地良さがありまして、特に1700年代に作られたアンティーク・オーボエの響きと合いますね。
それでは今回はカシミアに関してじっくり書かせて頂こうかと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

私個人の趣向として同じものを長年愛用する事を好みます。
洋服においてもそれは当てはまりまして、季節が巡る度に愛着が増してゆく大切な “ 相棒 ” は沢山ではありませんが幾つかあり、それらと向き合うのを恒例行事の一種として楽しんでいます。その一つであるカシミア・アイテムは、私という人格を形成するにおいて欠かす事の出来ない存在です。

肌との接触が必須な洋服類において、カシミアが有するポテンシャルは驚異的。
暖かく しなやかで 軽い。  様々な面において着る者への負荷が無く、身体を包みこむその懐はとてつもなく深いのです。
必然的にテクスチャーは秀逸と成ります。

 

私はかねてからニット製品を好んでいましたが、カシミアに対してここまで特出した想いを抱くようになったきっかけ、中毒とも言える存在に成ったきっかけの一つがバランタインというブランドでした。

 

 

 

 

 

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1920年代に設立されたスコットランドの至宝。
長い歴史において一貫してカシミアに特化しており、その品質の高さを認めたエルメスから声が掛かるほど品格に満ち溢れた伝統と格式のニット専門ブランド。

最大で最上の特徴は品質です。5つに分類されるカシミアクオリティにおいて特級ランクのみを使用した申し分無い上質さは、バランタインの全てを私達に無言で語りかけてくれます。服において最も重要である(と言って差し支えないかと) 『 素材 』 とう要素をピュアなカシミアのみで構成するバランタイン。 良いに決まっているのです。
作られる品々はニットウェアとしての定番をほとんどはみ出ません。勿論デザイン性を感じさせる物もありますが、定番で充分。縒り集められたカシミア毛の繊細かつ明白な存在感、毛一本一本が有する見事なキューティクル。
特級の看板に偽りなく、その違いに魅了されたら最期、抜け出せません。

 

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そして愛用において重要なメンテナンスに関しても、バランタイン・カシミアは申し分無いレスポンスを返してくれます。ご存知の方も多いことと存じますが、カシミア手入れの基本は馬毛によるブラッシングです。編みに沿って施す事で毛に絡まった微細な埃や皮脂などの汚れを取り除けるためクリーニングを必要としないほど。
クリーニングといえどやはり負荷がかかってしまいますので私はブラッシングを採用していますが、天然には天然で全く支障無く毎年を快適に過ごしております。

バランタイン・カシミアにブラッシングを行った際の違いは一目瞭然。上段が未 / 下段が済なのですが表面が綺麗に整えられ光沢感が増しているのを画像でも少しはご認識頂けるのではないかと思います。

 

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これによって極めて理想的な品質維持が叶います。事実、画像のニットは今から30~40年前に作られたものですが、新品と並べても遜色無いほど美しい状態が保たれているのです。

 

 

 

私にとってバランタイン・カシミアを着るという行為は、日常的に行える一種のご褒美となっています。そして着用後にブラッシングする事は、明日への栄養補給です。

そして勿論の事、服としてのスタイルが極めて好ましい。
その品質から過度な洗練性が野暮になるがゆえのユーティリティなミニマリズム。何よりハイネックやタートル、クルーが主導権を握りつつある中でのVネック。これがたまらなく好きです。それらが市民権を大幅に占めているからこそ選びたいネックバランスではないでしょうか。ちなみにVネックのINを悩まれる方がいらっしゃるかもしれませんが、何でも良いと思います。適当にカットソーが見せるクラシカルとのコントラストが最も粋なのではないでしょうか。

 

 

 

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60-70s Ballantyne, cashmere knit

 

 

コーディネートに制限は御座いません。
制限を設けず自由に組み合わせるのが本質的な魅力を絶対的に引き出せると信じています。

 

ちなみに私が着るともれなくちょっと危なげな叔父さんに成るので、至極真っ当に胸を張って叔父さん臭く着ています。
これぞ適材適所。

 

 

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