在り方の話 / Diary900
15.8.2020

あの期間はそもそも外に出る機会が少なく、なんと言っても一時休店によって御客様に前に立つという機会が無くなったこともあって、これまでは人知れずと三週間から一か月に一回のペースで通っていた美容院に行かない時間を過ごしたからか、もしくは別の理由かもしれませんが、運営が再開して久方ぶりにマンションの前で会ったご近所の Nさん ( 呑み屋に行くと知らない人と必ず友達に成れる柔和でちょっとお茶目な紳士 ) に “ マイルドになったねぇ ” とふとした一言をかけて頂いた時、私は長らく人柄の形容詞やニュアンスにおいてセクシーであったりアヴァンギャルドであったりといった表現は思い浮かべていたものの、一度としてマイルドという表現を思い浮かべてこなかったこと、そして今の自分にとってマイルドというニュアンスが驚くほどに心地良く感じたことに気付きました。

 

 

 

そうかマイルドか。マイルドねぇ。想えばこの生業に就いてから周囲がほとんど ( 色々と圧倒的な ) 年長者で埋められ、常にその人たちと一日でも肩を並べると言うか認めてもらうと言うか、それを念頭に置いて過ごし続けてきましたが、装いにおけるモードであったり人としての在り方におけるセクシーであったりアヴァンギャルドであったりを意識する過程で様々な衣類に手を出しては右往左往し、純金髪にしたりモヒカンにしたりしながらリッチやハイエンドを目指してきました。その道中でマイルドな人としての在り方を想い浮かべたことは紛れもなく無かったです。

 

OK。私は齢をとったのだ。もちろん社会においてはまだまだ引き続き若輩者で未熟者ですが、この生業に就いた頃と比べると圧倒的に齢をとったのだ。まずその点をしっかりと咀嚼して呑み込もう。そしてどうやら今の私は想った以上にリッチを装ったり元からハイエンドですよというふりをしたり、そう想われるためになにかを盛ったりすること行為やマインドを自分から遠ざけたく成っていること。イコール自然体で居ることに, 自然体な人の在り方に, 気持ちとして頑張っておらず実際頑張っているように視られないマイルドな自分の在り方にこれ以上ないほどの心地良さを感じていることを自覚しよう。 これが割合最近の気付きでした。生きていると様々在って、やはり愉しいですね。

 

 

 

また、マイルドな在り方によって自身の装いにおける一つ一つが生まれ変ってくれたことも何より愉しいです。不変や素朴の強み、上質さや職人技術の有用性、看板の価値観 etc.etc. また更に熱が高まりそうな予感。依然変わらずいや俄然愉しいヴィンテージ / アンティークの世界において、取り急ぎ今までで最もワークとミリタリーに惹かれています。自分が着る要素として。

 

 

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