癪 / Diary 763
6.9.2019

昨日、友人から遅めの誕生日プレゼントだと一冊の本を頂きました。

それは私のリクエストでも無ければ、彼の趣味でも無い、お互いに言葉の詰まる一冊。

 

内容は 80 年代初頭に出版された ” IVY ” に纏わる著書でして、それもアメリカンカルチャーど真ん中では無く ” British Ivy ” という私としては馴染みの無いカテゴリー、内容は英国の洋服と当時のカルチャーを絡めたライフスタイル誌と言えばわかりやすいでしょうか。

私にとって英国は 14 歳の頃通っていた学校のカリキュラムにより2か月程ホームステイの経験があり、マンチェスター近郊からスコットランドのダーラムまで授業内容によって転々としていました。当時の記憶を辿るとホストファミリーに「 私は疲れた。 」と帰宅する度にそれしか無く話していた事や、コミュニケーションツールはサッカーしかない、取敢えず「 中田 」か「 中村 」と言えば何とかなると、その時から捻くれいたのか、只の馬鹿なのか、今思い返すと寒気がする程とても恥ずかしく身に為ら無い時間を送っていました。

さて、なんとなしにそれを帰宅後読み始めてみまして、当時販売されたばかりであろう英国の洋服と注釈が半数で残りは一つの題目に丸々 1 ページ。バーバリーから自転車、犬、コナン・ドイルの話まで良い意味でなんでもそうと言わんばかりの内容に愉しみながら読み耽って、気付けば朝方と本日は眠気と戦いながらに彼はなぜこの一冊を選んだのか、彼はベンジャミンという名のフランスと日本のハーフだったよな、と只々疑問に考えながら綴らせて頂いております。

 

 

この英国に纏わる文脈からバーバリーのバルマカーンコートについての御説明は何故か 癪 ( しゃく ) なのでまた良きタイミングで御提案させて頂ければと。

 

詳細不明ですが 50 年代英国で恐らくある地域で生産を営んでいた仕事服メーカーの一着。

バスドライバー用に作られたジャケットとなりますが、テーラードであり、ユニフォームであり、ワークウェアである様々な要素が混在した一品で御座います。

コットンツイル生地を用いて仕立てられたとても雰囲気があるマテリアル、そのバス会社は皆上衿が緑色で統一されていたのかと想像が膨らみます。色味もまた巧い。色調もこれまたミリタリーのエッセンスを取り入れたような穏やかなグリーンとベージュの中間色とでも言えば伝わりますでしょうか?先日の Diary 同様、是非実際に目で確かめて頂きたく願います。

着丈の長さは運転時邪魔ならないように短めである配慮と、袖口も当時の持ち主の為に設計された実用的な長さとライトウェイト且つボックスシルエットですので、是非これを着てバスの運転手になんて口が裂けても言いませんが仮に運転の際は理に叶うかと。

 

50s British work bus driver cotton tailored

 

余談ですが、彼から頂いた ” British Ivy ” にはバスの運転手やワークウェアに関する記述は一切無いのです。

 

友人に感謝

 

 

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