千分の一秒だか万分の一秒だか / Diary745
1.8.2019

前回の土曜日, 日曜日と急遽の御休みを頂いてしまい、大変に失礼致しました。扉の前までお越しくださった幾人の御客様方には特に心よりお詫び申しあげます。直近では同じような臨時休業は頂きませんで、平常通り月曜日定休がひとまず続く見込みとなりますので、引き続きヴィンテージ・アンティークの品々を御提案させてくださいませ。

 

 

 

 

 

人間が何かを行動する時、頭の中では千分の一秒だか万分の一秒だかの速度で信号が流れるものの、行動しようと想い立つのが先か信号が先かは未だに解明されていないそうですが、美しさや格好良さなどの刺激を受けた際に発される信号は既にボールドシグナルとして視認できる世の中のようでして、研究や追及によって解明されること / されないことが ( きっと ) 星の数ほど在り続けるこの世界において何も考えずビールや中トロの握りをただ旨いとだけ感じて摂取し続ける阿呆かつ思慮深さが一かけらもない私ながら、美しいと想う感情や格好良いと想う感情はございまして、その原点を知ろうと想ったら何世代もかけてそれこそ研究しなくてはならないのだと想いますが、阿呆かつ思慮深くない私は研究することなく, 研究に挑戦することなくただただ想うのです。 この美しいと想う感情そのものがまず摩訶不思議である と。

それには好き好みの取捨選択が大きく大きく関わるのでしょうが、この世界には大多数の本能に訴えかける種類の, 例えば生後一カ月の赤子ですらそう想えるような、美しさが在るのではないかと想っておりまして、例えば朝日の輝きであったり流れる水であったり、草花であったり空であったりする中に、私は Berluti の Alessandro が含まれるのではないかと本気で考えております。

 

それが私の贔屓眼による想い違いである可能性を一旦退けて話を進めさせて頂きますが、それは設立者から現責任者に受け継がれた美意識であったり感覚器官と、継承され続けてきた職人技術の高さであったり真心が主たる理由かと想いまして、イタリアで産まれフランスで居を構えた経緯であったり、それこそ最大の要素であり有無を言わせぬ求心力である踵の美しい一線のみで紡ぎあげられた一枚の革による, 圧倒的な感性と想像の枠を越えた技術力による最上級のエレガンス仕様であるにも関わらず摩訶不思議な出で立ち過ぎてエレガンスを一旦忘れてしまうかのような、迫力であったり、軽やかな芸術性を追求した各所の判断であったり、特殊な製法による同社のみが活用することを許された至極の素材表情であったり、そして何よりも何よりも尊い職人の真心, 真摯さ, 良い一足を生み出そうという真面目な姿勢が背景に在るからこそ、私はこの一足が朝日や水や草木や空のような大多数の本能に訴えかける美しさを有していると信じております。




赤子による実体験はございませんが、先日に晴れて齢五十八となった酸いも甘いもおそらくはそれぞれ限界値近くまで経験してきたであろう、赤坂見附に行きつけのスナックが在り専ら酒とカラオケを愉しむ私の友人は、この一足を見て背景も特徴も知らぬまま美しいと強い感情で評価してくれました。それだけでこの一足と出逢え、皆様方に御提案できたことを嬉しく想います。

 

 

 

 

 

Newarrival. 80s Berluti, Alessanndro.

この美しさに狂って頂けましたら、幸いです。

 

 

SURR by LAILA 福留

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