シルクはあるかい? / Diary565
20.7.2018

と、各国のコレクターさんに尋ねるようになって何年かが経ちますが、ほとんど全ての答えが あるわけないじゃないか というニュアンスを含んだ No 。男性がまとうシルクという御提案の残酷な難しさを毎度実感せざる得ません。良くてワンシーズンに一着程度でしょうか。しかしながら前回の旅にて、かねてからお世話になっているその道何十年の PARIS 在住, 妻一筋, 中学 3 年生の息子が遊んでばかりで少々困っている親愛なるコレクター様を訪ねた際に、“ おぃ Mr シルク。見つけといてやったぜ ” という一言と共に、未着用という貨幣には代えられない付加価値を内包した 4 枚の白いシャツが現れました。そう、私は時たま Mr シルク。もしくは Mr ポジティブと呼ばれているのです。

 

 

SDIM0207

“ 息子が遊びまわって全然帰ってこないんだよ ” と独り言ちるコレクター様 ( 私は “ 貴方の息子だから仕方ないんじゃない? ” と答える ) の愛によって実現した 4 枚は、全て 1930 年代に紡がれたシルクにおける生糸を示す Row silk という大変に求心力溢れる要素を備えた布陣。端的に申し上げますとロウシルクは 糸を磨く前 の状態でして、水分にも適応 ( =洗って頂ける ) する、着用を重ねることでの風合い変化をお愉しみ頂けるという従来のシルクとは一味異なる魅力を有する存在です。もちろん特有であり圧倒的な軽やかさと異常なまでの肌触りの良さ, 肌から発される体温を優しく包み込むかつ通気性も良いという従来の要素も兼ね備えておりますので、極暑においても極寒においても極上を御体感頂けます。1930s という時代ならではの丁寧かつ繊細な各所の手仕事による繊細かつささやかながら圧倒的な迫力は、是非実物にて御査収頂けたらと想います。

 

 

 

 

 

SDIM0146
SDIM0153
SDIM0149

1930s France, row silk shirts collection

男性の白シャツ姿は本当に良い。常に心から切実に。私は日頃よりモードやファッションは基本的に女性のためのものと考えていますが、白シャツは極めて極めて数少ない男性だからこそ真に愉しめる特権的存在ではないかと考えます。それが、袖を通せばその存在価値が五感に響く, 蕩ける表情が男性的な色気を異常なまでに促進してくれる, 類まれなるシルクという御素材によるものとなったら。これはちょっとした事件です。

 

 

SURR by LAILA 福留

03-5468-5966
[email protected]

 

 

//

Copyright © SURR All Rights Reserved